正しいブラッシングをするには、自分に合った歯ブラシを選ぶことが大事です。
ポイントはヘッドの大きさと毛の硬さ。動かしやすいのは、口の奥まで入るヘッドが小さなもの。一般的に大人用歯ブラシのヘッドは大きめなので、場合によっては子ども用でもいいかもしれません。毛は柔らかめを選びましょう。硬い毛先は歯肉(歯茎)を傷つけてしまいます。毛先が反り返った歯ブラシも歯肉を傷つけますから、こまめに交換しましょう。
また、最近は電動歯ブラシの種類が充実してきました。従来の電動歯ブラシの他に、超音波歯ブラシなどが出ています。従来型電動歯ブラシは毎分2000~3000回のストロークで歯垢(プラーク)を除きます。ストローク方法はメーカーごとにさまざまです。音波歯ブラシは毎分約3万回の音波振動で歯垢を取り除きます。
さらに、超音波歯ブラシは振動数160万Hzの振動で歯と歯垢のつながりを断ち切ります。音波・超音波歯ブラシは、従来の電動歯ブラシよりも振動があるため幼児などには不向きですが、振動で歯肉のマッサージ効果が得られるので歯周病対策に有効です。(ただし、体内埋込型の医療電子機器を使用している人は医師に相談してください)
実は、朝昼晩と1日の中で磨き方を変えると効果的です。夜、入浴後に血液の循環が良くなっている時に歯肉を中心に磨くと、歯肉のマッサージ効果が大きく歯周病予防になります。朝は血液の循環がよくありませんから、歯肉を痛めないように注意しながら歯垢が沈着しやすい部分を重点的に磨きます。昼間は電動歯ブラシを携帯できませんから、手用歯ブラシで食べカスを取り除く磨き方をします。
また、歯ブラシだけでは歯垢を完璧に取り除くことはできません。歯と歯の間の歯垢はデンタルフロスを使って取りましょう。歯と歯の隙間が広い場合やブリッジの下の部分を磨くには、歯間ブラシを使うとよいでしょう。
いずれにしろ、一人ひとりの歯の状態は違います。定期検診や治療で歯科医院に行った時に自分の口に合った歯ブラシや補助用具を教えてもらうのがベストです。
鈴木歯科医院では虫歯・歯周病治療を行っています。詳細はこちらでどうぞ。
健康な歯を維持したいなら、1にも2にも正しいブラッシングに尽きます。正しい歯磨きを励行しましょう!いろいろなブラッシング法がありますが一つのブラッシング法では完璧な歯磨きはできません。
歯を失う原因である虫歯、歯周病と噛み合わせ。いずれに対しても、歯垢を残さないことが予防につながります。うがいでは歯垢は取れません。
いくら忙しくても、朝と夜寝る前に1日2回の歯磨きを日課にしている人がほとんどではないでしょうか。しかし、それでも虫歯や歯周病にかかるのは、正しいブラッシングができていないということでしょう。正しいブラッシング法といっても、この方法でやれば完璧というブラッシング法があるわけではありません。どのブラッシング法にも一長一短がありますし、一人ひとりの顔が違うように、歯の形や大きさ、並び方は人それぞれ違います。その人の歯に合わせて何種類かのブラッシング法を組み合わせて、磨き残しがないようにすることが大事です。
治療や定期検診で歯科医院に行ったときに、歯科衛生士がブラッシング指導をしていると思いますので、自分の歯に合った磨き方を相談してみてください。同じ努力をしても、効果がまったく違うはずです。
また、歯磨きにある程度時間をかけることも大事です。ササッと1回20~30秒で磨いている人が多いのではないでしょうか。そんな短時間では30本前後の歯をきれいに磨けるはずがありません。日本歯科医師会では1回の歯磨きの時間として、10分を目安にしています。忙しい朝や昼に10分間歯磨きするのは無理かもしれませんが、夜寝る前にはそれくらいの時間をかけていただきたいと思います。テレビを見ながら、お風呂に入りながらなど、ながらでかまいません。
歯磨き粉が飛び散るのが困るようなら、歯磨き粉はつけなくてもいいのです。歯磨き粉をつけた方が歯垢は取りやすいですが、泡が出て長い時間磨くには不向きかもしれません。歯磨き粉をつけずに、リビングでも風呂場でもゆっくりブラッシングをして、最後に仕上げに洗面所で歯磨き粉をつけて磨くと良いでしょう。
また、オフィスでもOLの人たちは昼食後に歯磨きしている人が多いようですが、環境が許すなら、ぜひ歯ブラシを携帯して短時間でもブラッシングしてください。ざっとでも食べカスを取っておくにこしたことはないのですから。スクラッビング法、バス法、立て磨きなどさまざまなブラッシング法を組み合わせて磨きましょう。
いろいろなブラッシング法を説明しましょう。
・スクラッビング法
スクラッブとは洗い落とすという意味で、最もポピュラーな方法です。歯ブラシの毛先を歯の面に垂直に当てて数ミリずつ小刻みに動かします。毛先を強めに押し当てて、小刻みに振動させると、歯と歯のすき間にも届き、食べカスを取り去ることができます。大きく動かして横磨きになってしまうと、歯が磨り減ってしまうので注意しましょう。虫歯に効果的なブラッシング法とされていますが、歯と歯の間の歯肉は歯肉炎にかかりやすい部分なので、歯周病の予防と治療にも有効です。
・バス法
歯ブラシを45度の角度にして、歯と歯肉の境目に毛先を当て、細かく振動させます。歯周ポケットに毛先が入り、歯肉のマッサージにもなり、歯周病対策に適しているブラッシング法です。ただし、硬い歯ブラシを使用したり、横磨きになってしまうと、歯肉を痛めることになるので注意してください。
・立て磨き
1本の歯を6面体と考え、表側の正面と左右、裏側の正面と左右の6方向を、歯ブラシを縦にして磨きます。1本ずつ磨くので時間はかかりますが、歯並びの悪い人にお勧めです。
鈴木歯科医院では虫歯・歯周病治療を行っています。詳細はこちらでどうぞ。
虫歯や歯周病、あるいは事故などで歯を失った場合、従来は入れ歯かブリッジにするしかありませんでした。しかし、生活するうえで機能性も審美性も、必ずしも満足できるものではないのが実情でした。
入れ歯に不満を抱いている人は、現在でも大勢います。
まず、口の中に装着した時の不快感。異物感が苦痛で、吐き気がする人もいます。また、床と呼ばれる土台を歯肉(歯茎)に被せるので、噛むと歯肉に痛みが生じます。固いものが噛めず無理して噛むと痛いし、歯肉が腫れることも。クラスプという金属製の爪で両隣の歯にかけて止める部分入れ歯は装着は簡単ですが、こまめに掃除するなど手入れをしないと不潔になりやすい欠点があります。外食する時など、外れないかという不安もあるようです。場所によってはクラスプが見えてしまうのも、心理的負担になっています。
そして医学的に問題なのは、クラスプをかける両隣の歯が入れ歯を取り外しするたびにエナメル質が傷つきやすくなり、そこから細菌が侵入して虫歯になりやすくなることです。また、入れ歯を支える力が加わるため、次第にぐらつき始めます。つまり、1本の義歯を支えるために両隣の健康な歯が犠牲になるリスクがあるということです。
ブリッジは、両隣の歯の上部を削って連結した人工歯冠を被せる方法です。入れ歯のように取り外しをしないで、自分の歯のように使える点が便利ですし、安定性もあります。入れ歯より使い心地はいいですが、両隣の健康な歯の上部をわざわざ削らなければいけません。つまり、両隣の健康な歯へのダメージは入れ歯よりも大きくなります。
上部を覆うエナメル質は人体の中でも最も固い部分ですが、そこを削って象牙質が剥き出しになってしまうと、細菌に侵入されやすくなります。人工歯冠と削った天然歯の間は歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。1本の失われた歯のために、2本の健康な歯が犠牲になるリスクが入れ歯より大きいと言えるでしょう。
入れ歯もブリッジも義歯としては一長一短あり、医学的にもQOLの点でも最良の方法とはいえません。
鈴木歯科医院ではインプラントを行っています。詳細はこちらでどうぞ。
入れ歯の不自由さに悩んでいる人にはインプラントをお勧めします。インプラントは、乳歯、永久歯に次ぐ“第3の歯”とも呼ばれている画期的な治療法です。インプラントは、あごの骨に人工歯根を埋め込み、人工歯冠を取り付ける方法です。入れ歯やブリッジと根本的に違う点は、歯冠だけでなく歯根から再建していることです。
奥歯を噛み締めると50kgほどの力が加わりますが、歯冠だけの入れ歯ではそんな力に耐えられません。入れ歯では天然歯の3分の1程度の力でしか噛めないと言われています。
しかし、人工歯根がしっかり支えているインプラントは、天然歯と同じくらいの力に耐えられるので固いものも噛めますし、噛むと痛いこともありません。自分の歯と同じように食事ができます。
また、入れ歯やブリッジは支えにする健康な歯に負担をかけますが、インプラントは人工歯根で支えているので他の歯に影響を与えません。1本の歯を失って、さらに両隣の健康な歯を次々失うリスクがないのです。
入れ歯のように毎日取り外す手間がかかりませんし、歯槽骨に人工歯根が埋められているので、食事をしていて外れる心配がまったくありません。入れ歯にすると、歯肉は歯冠が乗っているだけの状態になり、次第に萎縮して入れ歯が合わなくなり、入れ歯を作り替える必要が出てきます。インプラントは歯肉が萎縮しないので、かなり長期間維持できます。
インプラントは審美性の点でも天然歯に近い状態なので、外見からは義歯とはわかりません。旅行などで人目を気にしながら入れ歯を外すような心理的負担もありません。
入れ歯からインプラントに変えた患者さんは、例外なく「インプイラントにして良かった」と言います。「好きなものが食べられるようになった」「周囲の人から若々しくなったと言われる」「口を開けて笑えるようになった」と皆さんが明るい表情で話しています。
インプラントは歯科治療では二十世紀最大の発明と言われ、欧米では歯を失った場合の治療の第一選択肢がインプラントになっています。日本でもインプラントが急速に普及し、技術レベルが上がっています。入れ歯で悩んでいる方には、ぜひインプラントを検討していただきたいと思います。
鈴木歯科医院ではインプラントを行っています。詳細はこちらでどうぞ。
このようにインプラントのメリットをお話ししても「新しいものは不安」「あごに何かを埋め込んだりして大丈夫なのか」と心配される方がいます。
たしかにインプラントは最近になって特に注目されるようになった画期的な治療法です。
でも、根っこから再建するという発想自体は古くからあり、歴史の中で試行錯誤が重ねられてきました。さまざまな材質で、さまざまな方法を用いて、研究が進められてきたのです。現在主流のオッセオインテグレーテッド・インプラントは、スウェーデンのブローネマルク教授が1952年に偶然発見したチタンの性質が原点。チタンと骨が完全に結合することがわかったのです。
それ以降、ブローネマルク教授は研究を続け、チタンを骨に埋め込んでも拒否反応が起こらないこと、人体になじみやすいことを確認しました。そして、1965年にこの方法による初めての治療を開始。その患者さん第一号のインプラントは、今でも機能を保ち続けているそうです。
日本にこの方法が導入されてまだ20年も経っていませんが、世界的に見ると30年間でおよそ60万人の方々が喜びの声を上げたという実績があります。その間に、ほかの方法との比較や材質の改良も進みました。以前は、治療を受けて5年後、10年後にどうなるのかという不確定要素がありましたが、今では数々のケースで経過が確かめられています。
チタンの人工歯根を用いる方法は、ブローネマルク教授の開発したシステム以外にもいくつかあります。人工歯根は棒状のネジになっているタイプが主流で、太さや形、表面の処理などに違いがあります。
インプラントの歴史の中で、チタンの性質が発見されたことは、大きなバネになりました。純チタンは毒性がなく、しっかり噛んだときの力に耐えられるだけの強さを持っています。今では安心して治療を受けられる下地が固まったといえます。メリットが多いだけに、多くの人にそのすばらしさを知っていただきたいと願うばかりです。
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