こんにちは。歯科衛生士の泉麻由です。
7月に入ってもジメジメとした日が続きますね。
気温も湿度も高くなるこの時期は、気を緩めると浴室や洗面台のすみにカビが発生してしまうこともしばしばです。何かと厄介なこのカビ、実はお口の中にも発生してしまうことがあります。
● お口の中にカビ?「口腔カンジダ症」とは
お口の中に発生するカビによって、「口腔カンジダ症」と呼ばれる病気になることがあります。舌や頬、上あごの粘膜に、白っぽいものが斑点状・線状・苔状に付着するのが特徴です。この白い付着物はガーゼなどでこすると簡単に剥がれますが、剝がすと赤くただれていたり、場合によってはヒリヒリとした痛みや出血を伴ったりします。
原因となるのは「カンジダ・アルビカンス」というカビ菌の一種で、実は誰のお口の中にも普通に存在します。「口の中にカビ菌がいる」と聞くと驚くかもしれませんが、カンジダ菌は感染症を引き起こす能力が低い細菌のため、健康な人が口腔カンジダ症を発症することは非常にまれです。
● お口のカビは体調不良のサインの可能性も
健康であれば発症しにくい口腔カンジダ症ですが、乳幼児や高齢者、妊婦、免疫不全症、がんの治療中など、体力や抵抗力が弱っている方は発症しやすいので注意が必要です。
また、家の中のカビと同様に、お口の中が不潔な状態が長く続くと、菌が増殖して口腔カンジダ症を発症しやすくなります。お口の乾燥(ドライマウス)や入れ歯の清掃不良などにも要注意。
ただ、仮に発症してもお口の中の清掃を徹底し、抗カビ菌薬を含むうがい薬や塗り薬を使うことで治すことができます。
● 体のSOSを見逃さないために
口腔カンジダ症はむし歯・歯周病ほど身近な病気ではないものの、誰もが発症する可能性のある病気です。普段はお口の中でおとなしくしているカンジダ菌ですが、体の抵抗力が落ちてくると、途端にその動きは活発になります。
一方で、口腔カンジダ症は痛みなどの自覚症状がないことも多く、何となく体に不調を感じながらも、放置されることが珍しくありません。
お口の健康は体の健康のバロメーターになることも多いため、日ごろから歯科医院で定期的にチェックを受けながら体のSOSをいち早く察知していきましょう。
鈴木歯科医院
〒162-0065 東京都新宿区住吉町4-1 四谷ガーデニア1F
TEL:03-3356-8800
URL:https://www.sdc.or.jp/
Googleマップ:https://g.page/r/CcB-bN4N8-V7EAE
こんにちは。歯科衛生士の朝倉です。
今月は「歯と口の健康週間」がありますが、ご存じでしょうか。6月4日が6(む)と4(し)の語呂合わせで、「むし歯予防デー」と言われており、それに合わせて4日~10日に実施されます。
予防の習慣を身に着け、歯を失うことなくいつまでも自分の歯でしっかり食事をしようという主旨となっています。
さて、それでは歯を失う原因のNo.1はなんでしょうか。
それは「歯周病」です。
歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、悪化するとさまざまな病気のリスクを高める恐ろしい病気です。
実は、女性は男性に比べて歯周病リスクが高い傾向にあると言われています。
● 女性の歯周病リスクが高い理由
女性のリスクが高い理由として、まず挙げられるのは「女性ホルモンの影響」です。
歯周病を引き起こす細菌の中には、女性ホルモンを好む細菌がいます。女性には女性ホルモンが増える時期がありますが、その際に女性ホルモンを好む歯周病菌も増えてしまうのです。
また、他にも「女性はだ液の分泌量が男性よりも少ない人が多い」ということも挙げられます。だ液には、お口の中を健康・清潔に保つ働きがありますので、それが少ないと細菌が繁殖しやすい環境、つまり歯周病リスクが高い環境になってしまいます。
● 歯周病が悪化しやすい2つのタイミング
特に次の時期には十分注意が必要です。
・思春期(女性ホルモンが増える)
・性成熟期(女性ホルモンが最も多くなる)
特に妊娠中の歯周病の悪化は早産や低体重児出産を引き起こすことも。
また、出産後には育児の忙しさからご自身の歯みがきがおろそかになりがちです。その結果、出産・子育てを期に歯周病になってしまうケースも多いと言われています。
そのため、出産前後の女性は特に、歯周病対策をしっかりと行う必要があります。
● 歯周病トラブルを避けるために
歯周病トラブルを避けるためには、丁寧な歯みがきやバランスの取れた食生活、禁煙などが基本となります。
それだけでなく、歯周病予防のためには、歯科での定期的な検診などのプロのケアを受けることも大切です。
歯科医院ではセルフケアでは除去することができない、歯石を除去することができます。
実は、歯石は単なる汚れではなく、細菌のかたまりが固まったもの。放っておくと歯周病の原因となってしまうのです。
歯周病リスクの高い時期でも、プロの助けを借りて、歯周病を効果的に予防していくことができます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
鈴木歯科医院
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こんにちは。院長の鈴木です。
新年度が始まって新生活にもようやく慣れ始める五月。
この時期は、社会環境の変化、気候の変化などのストレスが重なり、「五月病」と呼ばれる「心身の不調」が起きやすくなります。
心身の不調は、自律神経の乱れが原因。
自律神経とは、体の調子や機能を日々整えてくれていて、私たちが生きて行く上で欠かせない大事な神経です。
さて、神経といえば、歯にも神経があります。
こちらも私たちが生きて行く上で大事な役割を果たしています。歯の神経は、歯の異常をいち早く痛みの感覚として私たちに知らせてくれるものです。
すると、「歯の神経がなくなったら歯の痛みを感じなくなるから良いことなのでは?」と思ってしまう人もいるかもしれません。
ところが、神経をとった場合でも、痛みを感じてしまうことがあります。
そしてそれは、重大な異変が起こっているサインであることも多いのです。
● 神経をとったはずの歯が痛む3つの原因とは?
・神経をとったあとの傷口
・根っこの周囲に膿
・根っこが割れている
の3つに主な原因があると考えられます。
・神経をとったあとの傷口
むし歯が進んで神経に達してしまうと、神経をとらなくてはならなくなります。その際、歯の根っこの先端部分で神経を断ち切ることになりますので、その部分が傷口となって痛みが出ることがあります。
しかし、この場合の痛みは、傷口が治るにつれて徐々になくなっていきます。
・根っこの周囲に膿
それまで痛くなかったのに、ある日突然噛んだ時に違和感や痛みを感じるようになり、次第に強くなっていきます。
さらに、ズキズキとした痛みとともに、歯ぐきや顔の腫れも出てくることがあります。
これは、根っこの内部に起きた細菌感染が、徐々に周囲にまで広がり、膿がたまってしまうことが原因です。
放っておくと、激しい痛みや腫れが出るだけでなく、歯以外の部位にまで感染が広がる恐れがあるため、早めの治療が必要です。
・根っこが割れている
神経のない歯は、血管も同時にとり除かれているので、栄養が行き渡らず、もろい枯れ木のように割れやすくなります。
歯の根っこが割れると、その周囲から細菌が入り込み、炎症を起こして痛みが生じます。放置すると周囲の骨がどんどん溶けてしまうので、通常は、早めの抜歯が必要になります。
● 痛くなってきたら要注意!早めの受診を!
このように、神経のない歯が痛む場合は細菌感染が関わっていることが多いです。
そのまま放置すると歯を支えている骨が溶けてしまうだけでなく、耐え難い痛みや腫れが出る恐れがあります。
また、感染が広がると骨髄炎(こつずいえん)や副鼻腔炎(ふくびくうえん)などを引き起こし、歯だけの問題では済まず、長期入院が必要になることも。
神経のない歯に症状があらわれた場合は、放置せず早めに歯科を受診しましょう。
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